お盆の時期が近づくと、臨済宗寺院では施餓鬼法要が催されます。
僧侶が施餓鬼のための陀羅尼(呪文のようなもの)を唱えながら、水と米を餓鬼に供えます。『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』 によると阿難尊者が静かな処で瞑想していると、焔口餓鬼(身体は痩せ細り、常に喉が渇き飢えている)が現れ、三日後にお前の命は尽き餓鬼の世界に転生するであろうと言います。阿難は恐ろしくなり、転生せずに済む方法を餓鬼に尋ねます。明日に無数の餓鬼すべてに一斛(二十リットル弱)の食べ物・飲み物を施せば、餓鬼の苦から逃れ天上に転生することができると餓鬼は答えます。阿難尊者はお釈迦さまに相談すると、少しの飲み物と飯を供え『無量威徳自在光明殊勝妙力』の陀羅尼(仏教における呪文)を唱えれば、餓鬼の苦を抜き天上に転生させることができると教えられます。これを聞いた大衆は歓喜して経典は終わります。
この故事は恐ろしい反面、常に飢えと喉の渇きに喘ぎながらもどうにか仏縁を結ぼうとしている餓鬼を目の当たりにすると、施さずはいられない心が湧きます。子供のことを餓鬼という人がいますが、どういったことでしょう。餓鬼はなりたくて餓鬼になったわけではありません。
幼いころの娘は食べることが大好きで、私が法事の準備で忙しいときに限ってお腹が空いたといってねだることが良くありました。ある時、あまりの忙しさに「ちょっと待ってね」と言い続けていました。10分ほど経ったころ、突然泣きわめき始めたので、お菓子をひとつ持たせると、泣き疲れたあげくに安堵して、少しの菓子を食べきってから眠りました。娘も泣き喚きたくて泣き喚いたわけでもありません。動転して正気を失ってしまうのです。
餓鬼も飢えて乾いて正気を失っているのです。だから少しでも食べて飲めば正気を取り戻します。正気を取り戻させるために陀羅尼を唱え、少しの水と米をつかみ、僧侶の法力にて餓鬼の口の周りの炎を透過して餓鬼に食べさせることで、餓鬼が正気を取り戻します。直後に『妙法蓮華経 観音経普門品』を読誦して仏縁を結ばせることで、餓鬼から転生させることが施餓鬼法要の目的です。
淳ちゃん、奥様、お子様方、お変わりありませんか? リカちゃんですよー。
身体が不自由になってしまってから、なかなかお参りに行けませんが、皆様に会いたいなあと思っております。
御施餓鬼やお彼岸というと、毎年てんてこ舞いだったことを思い出します(笑)。特に御施餓鬼は当時盛夏の頃でしたから、汗塗れで本堂や墓地のお仕事をしてましたねえ。
新しい合同墓のことで淳ちゃんに相談したいので、そのうちお邪魔します。
今日は施餓鬼会本番でお忙しいでしょうが、皆様の御健康をお祈りしております。
こんな公共の場での無駄話御容赦。
リカちゃんよりฅ^ΦωΦ^ฅ