並木 泰淳2023年2月4日雪を担(にな)って共に井(せい)を塡(うず)む臨済宗中興の祖と云われる、江戸時代中期の禅僧 白隠慧鶴禅師が記した『毒語心経』に出てくる禅語です。『毒語心経』は『般若心経』の経文に白隠禅師が漢文で解説をされた専門書です。 題の禅語は、 是無等等呪(他に比類なき呪文だ) という経文の解説に登場します。 徳雲の閑古錐。...
並木 泰淳2022年11月28日雨を聴いて寒更尽く 門を開けば落葉多し『大燈国師語録』に出てくる禅語です。 元は唐の時代の詩僧、無可上人の「秋に従兄の賈島(かとう)に寄す」という詩の一節です。 暝虫、暮色に喧しく 默思して西林に坐す 雨を聽いて寒更徹し 門を開けば落葉深し 昔、京邑の病に因りて 并びに洞庭心を起こす...
並木 泰淳2022年10月24日紅葉に思う段々、紅葉が美しく色づく季節になりました。 私が修行した埼玉県新座市の平林寺は紅葉が綺麗なところです。紅葉の下で今年は色がいい、今年は遅いなどとお話しされてている観光客を見て、確かにそうだと思い季節の移ろいを噛み締めながら、終わりのない落ち葉掃きに汗を流していたことを思い出...
並木 泰淳2022年7月20日施餓鬼お盆の時期が近づくと、臨済宗寺院では施餓鬼法要が催され、水と米を供えて読経をいたします。 『救抜焔口餓鬼陀羅尼経』 によると、阿難尊者が静かな処で瞑想していると、焔口餓鬼(身体は痩せ細り、常に喉が渇き飢えている)が現れ、...
並木 泰淳2022年4月25日桃李言はざれど、下自ら蹊を成す春があっという間に過ぎ去ろうとしています。 『史記』李広伝賛に題の諺が引用されています。 太史公曰はく。伝に曰はく、「其の身正しかれば令せずして行はれ、其の身正しからざれば令すと雖も従はれず。」と。其の李将軍の謂ひなり。余李将軍を睹(み)るに、悛悛(しゅんしゅん)(誠実で謙...